【この春おすすめの展覧会】鹿児島県歴史・美術センター黎明館「新しい光で輝くモノたち」

鹿児島県歴史・美術センター黎明館より、企画展のご案内をいただきましたので、お知らせいたします。     


鹿児島県歴史・美術センター黎明館

 照明LED化完成企画「新しい光で輝くモノたち」

会期:令和8年4月1日(水曜日)~令和8年4月29日(水曜日) 

会場:黎明館2階 

入場無料 

     


同館では、この春、第2特別展示室の照明がLEDにリニューアルされました。

 


 

今回の展示はこの「照明」をテーマにしています。  

新しく導入されたLEDの照明システムは、鑑賞する人にも、資料(文化財)にも配慮された、やさしい光であると同時に、明るさや色合いを調整して、作品や空間にあわせた演出が可能になりました。

 


照度や色温度が調整できるスポット照明のほか、
壁面ケースにはウォールウォッシャー照明(壁面を上から下まで
均一に「光で洗う(wash)」ように照らすが導入されています。

 

【展示を楽しむために】(同展解説パネルより)

今回の展示は照明をテーマにしています。専門家の協力のもと、新しく導入したLEDの照明システムを生かし、最新の光で当館が収蔵するコレクションを照らしました。

 協力:藤原工氏株式会社YAMAGIWA

LEDは資料の劣化の原因となる紫外線と赤外線をほとんど含まない安全な照明です。

会場ではLEDを用いた上で、資料ごとに最適な色温度(光の色を数値で表わしたもの)と照度(1㎡の面に当たる光の量)で展示しています。

 色温度の目安(K:ケルビン)
  2000K~3000K:赤~黄色味のある光
  4000K~5000K:白っぽい光

 照度の目安(lx:ルクス)
  50lx程度 日本画・水彩画・版画・染織品など
  100lx以下 書跡・古文書・漆工品・甲冑など 
  150lx以下 油彩画・水彩画など
  300lx以下 金属・陶磁器・ガラス・石など

 

 

今回の展示は、資料ごとの解説(「作品カルテ」)もちょっと変わっています。

資料名とか年代・作者・材質といった通常の資料情報に加え、学芸員が資料のどんなところに注目してほしいのかというポイントが、《学芸員の思い(こんな風に見せたい)》と、それに対する《照明のこたえ(照明のテクニック)》という形式で解説されています。

 

たとえば、こちらの玉里島津家伝来の装束。




『作品カルテ』によれば、「女性の着物のような多彩な色柄とは異なる、限られた色と柄による高貴でおしゃれな男装に注目してほしい」という《学芸員の思い》に対して、《照明のこたえ》は、染織品は退色しやすい材質であるため、照度はごく低く抑える必要があり、ケース内の照明によって、もっとも強い光を浴びる肩の部分が安全な50㏓の照度となるようベース照明をつくり、ケース内の照明だけでは暗くなってしまう下部全体にケース外から広角のスポットライトで明るさを加え、地色とそこに織り出された文様をくっきりと浮かび上がらせるように演出した、というものでした。

 

展示されている資料(作品)は、形や大きさ、作られた時代、使われている素材や技法・表現方法も、ひとつひとつ異なります。

照明の光による劣化の影響を抑えつつ、なおかつ資料それぞれがもつ魅力をどのように引き出すかが、学芸員の腕の見せどころなんですね。

 

今回の展示のメイキング映像がこちらに。

黎明館公式Instagram

黎明館の学芸員さんたちが、展示照明の「最適解」を求めて試行錯誤する様子が公開されています。

 

国宝・太刀「国宗」や、金襴手薩摩焼をはじめとする同館を代表する名品の数々が、

最新のミュージアム照明によって新たな輝きを放つのをぜひ、会場にてご体感ください。

 




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