鹿児島の火山灰(シラス)
鹿児島の火山灰「シラス」(入戸火砕流堆積物)は、約3万年前に鹿児島湾奥部にあたる「姶良カルデラ」から噴出したものです。 数10cmから180mもの厚さで、南九州に広範囲に分布し、シラスの埋蔵量は、750億㎥ともいわれいます。 入戸火砕流堆積物底部の溶結凝灰岩は、古くから石橋や石垣などの建材として身近に利用されてきました。 鹿児島の石材 入戸火砕流(溶結部) 堆積が厚く、熱が高いか、なかなか冷えなかった場合に 溶結作用によって硬い岩石になります(溶結凝灰岩)。 坂本龍馬が絶賛した犬飼滝は、この入戸火砕流 の 溶結部にかかっています。 また、マグマ起源の火山ガラスを主成分とするシラスは、不燃性・耐火性が高く、軽石状のものは断熱性・調湿性に優れた特徴を持っており、安価で機能性に優れた天然資源として、鹿児島市電軌道の緑化基盤をはじめ、さまざまなところで活用されています。 シラスブロック・シラスバルーン 淘汰作用によって精製、集積された微細な火山ガラス粒子(鹿児島市吉田町など限られた地区でしか採取できない希少なシラス)を焼成して作られるシラスバルーンは、粒子がそろっており、不純物が少ないため 、洗顔料やクリーナー・研磨剤、飼料添加物として利用されています。 大木先生「シラス」特別講義(7/9)