【新着図書】
当館館長本村浩之監修の「ゆるゆる怪魚図鑑」 が展示室に入りました。 【はじめに】 怪魚という言葉を聞いて、みなさんはどのような魚を思い浮かべますか?見た目が恐ろしい魚かもしれませんし、猛毒をもつ魚かもしれませんね。さて、怪魚とは、特異的な生態や見た目の特ちょうをもつ魚を指すことが多いです。例えば、ジンベエザメは魚類最大の巨体を誇り、その全長は最大で17mにもなるとされます。また、ハイギョのなかまは、あの恐竜がうまれるよりも古い時代から生きていて、空気呼吸や乾眠といった独自の生態をもちます。これらの魚を怪魚とよぶのに異論はないでしょう。 また、人は昔から、これらの怪魚たちを食べる、釣りやダイビング、飼育といったアクティビティの対象とするなど、さまざまな方法で利用してきました。観賞魚として人気のベタやグッピーといった魚は、人の手による品種改良が盛んに行われていて、これも考え方によっては怪魚といえるかもしれません。 最後に、怪魚たちの特しゅな生態や能力は、それぞれの生息環境や生活史に合わせた進化の歴史を表すものです。しかし、近年では、人間活動による地球環境の変化が進み、多くの怪魚たちが絶滅の危機に瀕しています。怪魚たちが今後も生きていけるように、地球の環境を守っていくことが大切です。本書を通じて、怪魚たちとどのような未来を歩めるか考えてみてはいかがでしょうか。 鹿児島大学総合研究博物館 館長 本村浩之